2020年12月19日

退役軍人団体が VA長官を非難

 military.comによれば、アメリカの主要な退役軍人団体は水曜日にホワイトハウスへ書簡を送り、ドナルド・トランプ大統領(President Donald Trump)に、退役軍人省(VA)長官、ロバート・ウィルキー(Department of Veterans Affairs Secretary Robert Wilkie)を解雇するよう求めました。

 ウィルキーが下院退役軍人省委員会で働く海軍予備役少佐の誠実を疑問視していたと結論した先週公表されたVA当局監察総監の報告書への対応として、6つの退役軍人団体はトランプへ長官を解任することを求める書簡を書きました。

 「長官はこの問題における文書化された不正行為の責任を否定しているため、我々、退役軍人奉仕団体の指導者一同は、彼を直ちに解任することで、貴殿にさらなる行動をとるよう要請します」と、「the American Legion」「Veterans of Foreign Wars」「Disabled American Veterans AMVETS」「Vietnam Veterans of America」「Paralyzed Veterans of America」の長は書きました。

 団体は先週、声明を出し、長官が数週間で職務を去ることから、主に象徴的とみられる尽力として、ウィルキーを辞職させるよう求めました。

 カルフォルニア州選出の民主党議員、ナンシー・ペロシ下院議長(House Speaker Nancy Pelosi)、同じくカルフォルニア州選出の民主党議員で退役軍人問題委員会の議長、マーク・タカノ下院議員(Rep. Mark Takano)少なくとも15人の連邦議員が尽力に参加しています。

 隊員のアンドレア・ゴールドシュタイン(Andrea Goldstein)が2019年9月にワシントン特別区の退役軍人病院でアトリウムで痴漢行為を受け、いらがらせをされたと主張したあと、ウィルキーは彼女を中傷し、信頼性を傷つけたとVAの監察総監は結論しました。

 しかし、調査はウィルキーがゴールドシュタインの信用を落としたり、彼が他社に彼女の経歴を調べるよう命じた情報を積極的に探したという報告を立証できませんでした。

 トランプへの書簡の中で、退役軍人団体は、調査結果は「長官自身が防衛態勢を敷き、退役軍人の名誉を傷つけ、引き続いた監察総監の調査を回避したことを明らかにする」といいました。

 「これは退役軍人の間の信頼をとてつもなく大きく裏切るもので、ウィルキー長官は説明をしなければなりません。彼の行動は退役軍人がVAで医療を求めることを妨げる脅威であるだけでなく、省全体でセクシャルハラスメントを終わらせるために活動しているVA職員の努力も台無しにします」と団体は書きました。

 監察総監の報告は、襲撃者とされる者は、VAの法執行機関がゴールドシュタインの経歴の調査を始めた数日後に調査を受けた施設の請負業者であったかもしれないといいました。

 VA監察総監のマイケル・ミサル(Inspector General Michael Missal)は、病院の防犯カメラが当時動いていなかったと指摘し、ゴールドシュタインの主張を裏付ける十分な証拠はなかったと結論しました。司法省はこの事件を取り上げることを拒否しました。

 しかし、ミサル総監は、ゴールドシュタインの主張は立証されていないして対応したことで、ウィルキーがVAの評価を不必要に傷つけたといいました。

 先週公表された報告の中で、ミサル総監が設定した論調は少なくともプロ意識を欠き、最悪では性的暴行を提訴した退役軍人の信頼性と経歴への疑問を全国の記者に情報を公開する根拠を提供した、といいました。

 木曜日、ツイッターへの投稿の中で、ゴールドシュタインはウィルキーと彼の補佐役を非難しました。
「責任感をもって説明責任を果たすのではなく、調査をして私の性格に疑いを差し挟む」ことを目的とした隠蔽工作をはじめたと非難しました。

 「軍隊の中で性的暴行を経験したり目撃した大勢の男女がウィルキーの行動を……説明責任を果たし、非難し、恥を知ることを拒否して、犠牲者の問題をさらに大きくする……とてつもなく馴染み深いものだと認めました」とゴールドシュタインはいいました。

 報告書への対応の中でウィルキーは、65人を尋問した後で、監察総監は告発したVA職員による声明を裏付けるいかなる文書化された証拠も特定しなかったと主張し、訴えは虚偽だといいました。

 VA長官としてのウィルキーの地位は、次期大統領ジョー・バイデン(Joe Biden)が宣誓をする1月20日に終了します。何度も辞任を求められたにも関わらず、長官はこの件について公の声明を出していません。

 VA報道官のクリスティナ・ノエル(Christina Noel)は、ウィルキーは省を率い続けるだろうといいました。それは「退役軍人の信頼、医療の質と職員の満足を向上するランドマーク」となりなす。

 ウィルキーの辞職を求めているその他の団体には、「Iraq and Afghanistan Veterans of America」「the Service Women's Action Network」「The National Veterans Legal Services Program」「the Modern Military Association of America」が含まれます。

 伝統的にトランプ政権のVAを改革する努力を支援している保守系の「Concerned Veterans for America」は、「VAの指導者たちは常に退役軍人と機関の完全性を自分たちに優先しなければなりません」とのべて、この事件のウィルキーのリーダーシップを批判しました。

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 トランプ政権らしい事件です。トランプ家での女性の立場を象徴しています。トランプ家では女性の立場は極度に低いことで知られます。性的被害の訴えも、軽視するのは当然でしょう。トランプは退役軍人のために金を集めたことがありますが、退役軍人のために使ったのはごく一部だったとの事件もありました。トランプにとって、軍人は自分たちを守るための駒でしかありません。

 どうせ、来月にはいなくなる長官とはいえ、これまで何もしなかったウィルキー長官へ最後通牒を突きつけたのは、権利団体として当然だったといえます。

 このように、トランプは米軍を味方につけているようですが、実は軍との関係は最悪です。法律を無視して軍隊を使おうとするので、軍からは危険視されています。統合参謀本部議長も、トランプは本音では解任したいのでしょうが、それをやると世論から叩かれるのでしないだけです。

 バラク・オバマは、国防長官を通さずにホワイトハウスから現地部隊に直接質問をして、軍との関係を悪くしたことがありますが、それとは問題の深度が違います。
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2020年12月12日

米海兵隊が小型水陸両用艇を開発へ

 military.comによれば、海兵隊員75人を海から海岸へ真っ直ぐに運べる米海軍の新しい戦闘艦は、中国沖の第一列島線(the first chain of islands)の中と周辺で活動するでしょう。

 今週発表された新しい海軍の建造計画は、海兵隊員75人を輸送できる10隻の軽水陸両用艇(light amphibious warship)を要求します。この船は通常配備される海兵隊遠征部隊の両用即応グループ(amphibious ready group)から独立して活動するでしょう。

 そのかわりに、軽水陸両用艇はおそらくは海軍の戦隊指揮官の指揮下で、両用即応グループを拡大するだろうと当局者は木曜日に記者へいいました。

 艇は日本と韓国の付近からベトナムへと向けて下って伸びて南・東シナ海に散る列島、第一列島線として知られるものの周辺を迅速に移動するように設計され、新しい海兵沿岸連隊(Marine littoral regiment)を運ぶでしょう。ハワイで試験された連隊は、歩兵、補給、対空要員を含みます。

 「(米インド太平洋司令部で)前方展開され、今夜戦う準備を整えていることが大事です」と海兵隊の最高当局者は新造艦についていいました。

 海兵隊指揮官、デビッド・バーガー大将(Gen. David Berger)は、海兵隊員の少数の上陸チームを運べるより多くの海軍艦を要求しています。比較すると、強襲揚陸艦で展開する海兵隊遠征部隊は約2,200人の隊員で構成されます。太平洋上と他の場所で脅威が増加したことが、素早く建造できるより安価な新しい艦隊を必要とさせると、彼はいいました。

 「我々は軽水陸両用艇を、数多く必要とします」とバーガー大将は今年早期にいいました。

 海軍の建造計画は、2022年から2026年の間に、LAWとよばれる200フィート(約61m)の船を10隻建造するために約15億ドルを投じることを要請します。それは82隻の新しい海軍艦をその5年間の間に建造する1470億ドルの計画のごく一部です。

 今週、この計画を記者に説明した海兵隊当局者は、LAWを海軍の強襲揚陸艦と「艦対岸接続艇(Ship-to-Shore Connector・米海軍のホバークラフト型の輸送艦)」の間の「欠けたピース」だと説明しました。軽水陸両用艇はそれ自体が既存の上陸艇よりも長距離を移動できる接続艇であり、ある海軍高官がいったように「耐久性のある上陸艇」の役目を果たすでしょう。

 この春に公表された計画は最低3,500海里(約6,482km)を14キロノット(時速約26km)で行動できる艦を要請しました。艦は数週間の派遣と太平洋横断に耐える能力がなくてはならないと、海軍のスライドは述べました。

 この艦は太平洋で活動を始めるでしょうが、この戦域に永久に留まることを意味しないと海軍当局者はいいました。

 「我々はこれを移動可能な機動性のコンセプトと見ていて、最初に太平洋に集中しています」と当局者はいいました。

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 太平洋に特化した艦ではないとはいいながら、ハワイの真珠湾から日本の横須賀米海軍基地までの直線距離が6,200kmですから、6,482kmを移動できて太平洋横断ができる能力といえば、明らかに東・南シナ海での活動を想定していると考えるべきです。横須賀基地はその拠点となるのです。日本人は日本から米軍が出撃することに慣れっこです。

 ここ数年で、日本はオーストラリアとの軍事関係を強化しました。オーストラリア軍と米軍は自衛隊とともに上陸作戦の演習をしています。明らかに、自衛隊が東・南シナ海でこれら二カ国の軍隊とともに活動する未来が近づいています。これを日本人はまったく意識していません。

 搭載する兵士の人数が75人というのは少し半端な感じがします。海兵隊は小隊の人数をあれこれと検討していて、現在の43人を減らして40人にするのと、逆に増やして49人にするという案です。どこに落着したかは知らないのですが、いずれにしても75人搭載とすると、別の小隊の一部を乗せることになります。これだと、運用が面倒な感じがします。しかし、1個小隊だと艦が小さすぎることになるのかも知れません。そこで何か新しい部隊運用が用いられるかも知れません。

 米軍は以前からこの種の艦を造ると言っていて、それは当サイト(旧サイト・http://spikemilrev.sakura.ne.jp)でも紹介してきました。それがどんどん現実化しています。

 アメリカが中国と太平洋上で戦うというのは、かつて日本がやった戦闘がよりハイテクになって蘇るということです。空母同士の戦いや上陸作戦が行われるかどうかは分かりません。戦況がどちらかの一方に不利になったとき、どちらかが核兵器を使おうと考えるかもしれません。米中共に国連常任理事国であることを考えれば、これは世界にとって破滅的な事態かもしれません。
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2020年12月09日

南部連合の将軍像を撤去

 military.comによれば、バージニア州立軍人養成大学(The Virginia Military Institute )は月曜日、南部連合のトーマス・ストーンウォール=Eジャクソン大将(Gen. Thomas “Stonewall” Jackson)の有名な像を撤去しました。これは今秋に公立大学をかき乱した組織的なレイシズムの申し立てのあと、着手した計画です。

 午前9時45分頃、クレーンが新入生がかつて敬礼を要求された、本人よりも大きな像をむしり取り、地面へと吊り上げました。少数の群衆がジャクソンがかつて教えたレキシントンのほとんど空っぽのキャンパスで静かに集まり、無言で雪が吹きすさぶ中を見守りました。

 学校の委員会は10月、ワシントンポスト紙が、アメリカで最古の州立軍大学であるこの学校にある「敵意の雰囲気と文化的な無関心」を説明する記事を出した後で、像を取り除くための投票を行いました。記事は、リンチの脅しとクラスで父親のクー・クラックス・クラン(Ku Klux Klan)の会員の思い出話をする白人教授などの事件を詳しく説明しました。

 ポスト紙の記事は同校の最高責任者、J・H・ビンフォード・ピー三世退役陸軍大将(Gen. J.H. Binford Peay III)の追放させ、州当局が生徒の申し立てを調査するめに外部企業を雇うことに関与することを促しました。

 ピー元大将の辞職以来、同校は退役陸軍少将のセドリック・ウィンズ(Cedric Wins)が暫定的な最高責任者を務め、その役割を務める最初の黒人リーダーになると発表しました。学校の委員会は常設の多様性オフィスの設置を含めた、その他の変更も行っています。

 「過去181年の同校の歴史はよく記録されています。ストーンウォール・ジャクソンとレキシントンと教官としての大学とのつながりはその歴史の一部です」とウィンズは月曜日に声明の中でいいました。しかし、「大学はこの像によって定義されませんし、それはこの動きが適切な理由です」と彼はつけ加えました。

 同校は、像は生徒が多数死傷した戦場の南北戦争博物館の近くに再配置されるといいました。台座を取り除き、新しい場所を準備するために作業が続く間、像は月曜日に保管されたと、学校の広報、ビル・ワイアット(Bill Wyatt)はいいました。

 像は過去に議論の的になりましたが、学校は7月に学校の簡素で、歴史的な兵舎の前に置き続けることを約束していました。

 ミネアポリス市でのジョージ・フロイド(George Floyd)の殺害に引き続いた、南部連合の記念碑を除去する動きの中、一部の生徒と卒業生は像の除去を求めました。

 ピー大将はその時、学校は宣誓の儀式を南北戦争の戦場から場所を移転するような、いくつかの長年の伝統を変えるといいました。しかし、彼は奴隷を所有したジャクソンの像を移動したり、南部連合の指導者を讃える建物の名称を再考しないといいました。

 「過去の偶像の問題に立ち向かっている多くのコミュニティと違い、当校は現在の騒乱の主題である多くの歴史的人物と直接のつながりを持ちます。ストーンウォール・ジャクソンは当校の教授であり、メキシコ・アメリカ戦争で戦闘で軍務を務めたウエストポイントの卒業生であり、軍事の天才で、誠実なクリスチャンで南部連合の将軍でした」とピー大将は7月に書きました。

 変化は1990年代に、大学にやって来るのも遅かった。学校が女性を入校させようとする連邦の努力に対抗する人目をひく戦いで、6年間を費やして、数百万ドルを費やしました。

 最高裁は最終的に、学校が税金を受け入れるなら、女性を受け入れなければならないと判決しました。委員会は私立に変わり、男性のみのままでいるよりは、女性を受け入れると9対8で票決し、女性を排斥する最後の州立大学でいるという学校の長きにわたる追求を終えました。

 2015年、大学は新入生が通過するたびに像に敬礼することを要求されるのを止めました。

 像は学校へ1912年に、同校の最初のユダヤ人候補生で、ニューマーケットの戦いの退役軍人、彫刻家のモーゼス・エゼキエル(Moses Ezekiel)により贈られたと、学校は発表でいいました。バージニア州南北戦争博物館(the Virginia Museum of the Civil War)とニューマーケット戦場州立歴史公園(New Market Battlefield State Historical Park)への像の除去と再設置は209,000ドルかかり、資金は大学の施設整備・活動口座から支払われます。

 故人の夫が1962年に大学を卒業した、キャロライン・ウォレル(Carolyn Worrell)は月曜日に作業を見るために集まった少数の人々の中にいました。学校は除去が行われることを公に開示しませんでしたが、ウォレルは知らせを受けて駆けつけたといいました。

 白人のウォレルは、彼女はポスト紙の記事が正確に、彼女の息子も通った学校を描写したとは考えないといいました。

 「このことすべてを引き起こしているのは民主党の権力探求です。彼らは歴史を冒涜しています。彼らは歴史から離れようとしています」と彼女はいいました。

 声明の中で、ウィンズ大将は、像を撤去する決定は、問題の両側に対する強い意見を呼び起こしていたというのは控えめな言い方だろうといいました。

 「過去181年間にわたり何度も、学校は適応し、変化しています。毎回、我々はよりよく、より強い機関になっています」。

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 ウォレルがどう言おうと、学生や卒業生の間から同じような見解が出ていて、それが報道につながっているのだから、人種差別の文化がこの学校にあるのは間違いないと思われます。

 米軍は過激主義を排斥する基本方針を堅持しています。過激主義の代表は「白人至上主義」であることは、軍の資料を読めばわかります。つまり、ジャクソン大将の像は白人至上主義の最たるものです。民主党に関係なく、軍は過激主義を排斥しようとしています。

 ジョー・バイデン次期大統領が初のアフリカ系米人、ロイド・オースティン大将を国防長官に指名したように、軍の変化はもはや避けられません。すでに空軍参謀長もアフリカ系の人物が務めています。

 変化は避けられず、避けようとすべきではありません。
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