2021年02月22日

NHK「自衛隊が体験した離島防衛のリアル」をみて

 NHKの番組「自衛隊が体験した離島防衛のリアル」を観ました。正直なところ、かなり違和感がある内容でしたので、ここに疑問点を提示します。

前提となる脅威の誤り

 この番組は中国が尖閣諸島を狙っているという前提で話が進みます。中国が海洋進出を強めていて、その中で尖閣諸島を奪取しようとするというのです。この前提があたかも疑問の余地がないように説明されていますが、そもそも、それは極めて可能性が低いことなのです。

 中国は国連の常任理事国です。国連の仕事はなにかというと、侵略行為があったとき、それを事実として認定し、外交による阻止を試み、それでも目的を達しない場合、軍事力による排除を行います。中国が台湾や日本の離島を侵略すれば、それは「警察官が殺人をする」のに等しく、世界中の反発を招きます。確かに、中国は海洋での軍事行動を増やしてはいますが、同時に侵略国にはならないと繰り返し声明もしています。言葉は信じられないという人はいるでしょうが、第2次世界大戦で被害国になったために常任理事国になれた中国が、あえてその立場を捨てるでしょうか。そうした行為は、中国を国際機構から永遠に追放することになるからです。つまり、水陸機動団が想定する事態は極めて可能性が低いことなのです。もちろん、軍隊の仕事は可能性が低いことでも発生した場合に備える「準備」であることは当然です。しかし、この番組をみた人は、危機が目の前に迫っていると勘違いする恐れがあります。

 それでも、領土を守ることは正しいと思う人がいるかもしれませんが、水陸機動団の活動が予想されるのは、実は南シナ海なのです。日本はオーストラリアとの軍事協力を強め、米軍も合わせてオーストラリアで上陸作戦の訓練を行っています。自国を守るのに、なぜオーストラリアやアメリカの軍隊と合同演習をするのかといえば、南シナ海の孤島で領有権の争いがあるので、そこで武力紛争に発展したとき、自衛隊を投入するという考えがあるのです。専守防衛を超えた活動のようですが、政府には奥の手があります。南シナ海を中国が支配したら中東から来る石油が断たれ、日本は経済的に行き詰まる。それを防ぐのは日本の防衛だというつもりです。しかし、これでは際限なく軍事活動を広げることが可能であり、憲法が定める規定を大きく超えてしまいます。この番組は、こういう意図に気がつくのを防ぐため、尖閣諸島に視聴者の視点を釘付けにしようとしています。

 水陸機動団が「他国に侵攻された離島を奪還できる唯一の部隊」との説明も誤り。状況によっては空挺団の方が適していることもあるでしょうし、両方が使われることもあります。また、水陸機動団は強襲上陸を担いますが、その後に一般の地上部隊が続くのが普通です。上陸作戦に先立って海岸の障害物を除去する、最初に上陸して橋頭堡を築くなどの役割を担います。朝鮮戦争の仁川上陸では、米海軍の特殊部隊が北朝鮮の灯台を点灯し、沖合いの艦船に目印を提供しました。湾岸戦争では、海岸で爆弾を爆発させ、米軍が海から上陸してくるかのように見せる偽装工作を行いました。この番組の説明だと、すべてを水陸機動団がやるように説明していて、視聴者に誤解を与えるでしょう。そもそも、尖閣諸島は狭すぎて、強襲上陸を行うのに適していません。外国人が上陸したら、周辺海域を船で封鎖して、彼らが飢えるのを待つのが自然な戦術です。

 水陸機動団が編成されたのが、1999年に能登半島と2001年に東シナ海で起きた不審船事件、中国漁船が海上保安庁の船に体当たりした事件が理由だという説明も納得がいきません。これらは上陸進攻とまったく関係がない事件です。上陸進攻は戦争行為ですから、まったく別の考察が必要です。

訓練機材の不備

 番組中に水陸機動団の訓練風景があります。海上に不時着したヘリコプターからの緊急脱出訓練や水没した水陸両用車からの脱出訓練が紹介されました。米軍なら本物そっくりに作られた実物大模型を使いますが、自衛隊のは簡易なもので、実際とは形状が微妙に違い、色も違います。特に、色が違うと訓練の成果はあがりません。できる限り同じ状況を体験させるのは米軍の訓練方針です。と教えても、その通りにはできないものです。

インタビューへの疑問

住田和明元陸将(元陸上総隊司令官)

 住田氏は最も侵攻の可能性が高いのは尖閣諸島などの先島諸島で、中国は尖閣諸島をどんどん侵食しており、いつかは手を出してくると述べます。しかし、先に述べたとおり、尖閣諸島への侵攻の可能性はかなり低く、それ以外の島に対する脅威はさらに低いのです。毎度のことですが、日本では「場所」を強調する脅威論が流行るのです。そして、それは常に外れています。戦前はロシアとの戦争を想定して、その前に中国を拠点にしようとして失敗し、敗戦を余儀なくされました。北海道にソ連軍が侵攻するという脅威論は、自衛隊が北海道で大規模演習をするための方便でした。尖閣諸島に国民の目を引きつけて、実は南シナ海での活動を考えているのが実際のところです。

 「昔は中国軍が攻めて来たら撃破しろと、つぶして追っ払ってしまえと言っていました。ところが、いまはできません。勝てない。勝てなくても、どうやって負けないかを考えなくてはいけない」と住田氏はいいます。この言葉の意味は私には分かりません。たとえば、中国が貧弱な戦力で攻めてきたとして、それを撃破したら、次に戦術核兵器を用いるかもしれません。そのための備えは日本にはない訳です。なのに、追い払えという議論が自衛隊の中であったとすると、それは筋が通っているといえるのでしょうか。もっと様々なことを考察する必要があるはずです。

 「指揮系統は明確になっておりまして、尖閣諸島に上陸する水陸機動団の隊員は陸上総隊司令官の命令で行っている訳ですから、一番の責任があるのは陸上総隊司令官。さらに命令を与えた防衛大臣も同じように、当然責任を持っていると思います」とのこと。違いますね。一番責任があるのは防衛大臣であり、内閣総理大臣です。未だに日本の自衛官は軍人が一番責任があると思い込んでいるのが分かりました。民主主義国では民間人が軍隊を統括する原則は未だに理解されていません。

柳澤協二(元内閣官房副長官補)

 柳澤氏は、島を奪還しても相手が再び奪還に来たらどうするのかを自衛隊と議論したことを披露します。最初に取り戻したときに、政府が講和をしてくれなければいけないといいます。しかし、こういう侵攻作戦は相手が計画して、それが頓挫した訳ですから、そこで講和に乗るでしょうか?。日本もハワイとマレーで開戦して、適当に戦果をあげて講和しようとしたのに、うまく行かなかったからタイミングを逸しています。フォークランド戦争では現地のアルゼンチン軍が降伏して終わりましたが、フォークランド島は地上戦が行えるほどの面積がありました。人が住むに適していない尖閣諸島では、また別の話になるでしょう。ここでの戦いは地上ではなく、海と空で行われます。高額のハイテク兵器を、相手があきらめるまで投入し続けるような戦いです。そんな戦争があり得るかは考察すべき問題です。中国人がそういう気質かについても。

小原凡司(元海上自衛隊・中国防衛駐在武官)

 小原氏は2016年8月に実際に起きた中国の「キャベツ戦略」を紹介します。これは尖閣諸島周辺に中国が漁船を大量に派遣し、その周辺を中国公船が囲み、さらに中国海軍の船が囲み、領有を主張するものです。番組はこれを「グレーゾーン」だとして、自衛隊がどう武器を使用するかが問題だといいます。この説明だと、キャベツ戦略から自衛隊の攻撃につながるように思えますが、これは政治レベルでの解決の方が優先で、効果的です。中国は南シナ海のスカボロー礁でキャベツ戦略を行い、実効支配を強めているとされますが、常設仲裁裁判所はスカボロー礁は島ではないと判定しています。尖閣諸島は国際法上の島ですから、まったく同じ話になるかどうかは分かりません。

奥山真司(地政学者)

 一番間違いが少なかったのは奥山氏でした。中国に同盟国がないのは中国の弱点だというのは、その通りだと思います。しかし、アメリカでは軍事の現場と政治家が連携して、難しい判断を下すトレーニングに取り組んでいるという説明は誤解を招きます。軍はあくまで政治家の軍事顧問なのです。最終判断は政治家がやります。番組の説明では、自衛隊の権限をもっと強めて、政治家に意見できるようにしろと誤解する人も出そうです。

米軍との演習

 番組中、アメリカで行った演習の映像が紹介されます。比較的、難易度の低い演習です。たとえば、偵察部隊の海岸への侵入は夜間に行うべきところを昼間にやっています。敵軍を演じる米軍の抵抗も比較的弱い。この映像に理解しにくい場面が登場します。

 水陸両用車で海岸に上陸し、歩兵が降車して、すぐに前進を始めると思ったら、海岸線で全員が揃うまで座っているようです。いくら敵が後退した段階だからといって、開けた場所に留まる意味はありません。そのまま前進して茂みに隠れて後続が到着するのを待つべきです。

 市街戦での演習で、車両が即席爆発装置で破壊されたとの想定で訓練が行われました。ドライバーが死亡、同乗者2人が重症と判定されました。そこに建物内から銃撃が加えられます。当然、発煙弾で敵の視界を遮り、援護射撃の下で救援を行うと思うのですが、隊員たちは銃撃の中、道路を走って救援に向かいます。誰も発砲しません。信じられませんが、隊員はそういう訓練を受けているようです。米軍の教官は民間軍事会社のインストラクターでしたが、攻撃されたらすぐに反撃しろと注意していました。

 しかし、武装勢力相手の戦闘訓練をしているのはなぜなのでしょうか?。正規軍相手の戦闘訓練をなぜしないのか?。

 さらに負傷者の治療の訓練も紹介しますが、番組は法律の壁があるといいます。気道確保について「アメリカ軍は誰でも応急処置を行いますが、日本でこれをできるのは一部の医療従事者のみ。しかし、戦場で法律を優先すれば、助かる命も助かりません」と。自衛隊は法律を守らなくてよいのですか?。有事なら何でも許されると考えるのなら、自衛隊は無法集団に過ぎません。ここは、法の改正が必要だと説明すべきところで、法律を優先したら人が死ぬなどと説明すべきではありません。

 自衛隊では許可されたこと以外は禁止なのが問題だというのも、そもそも交戦規定がないし、その処罰規定もないからです。それで海外に戦闘部隊を派遣しているのもおかしいのですが、それは水陸機動団に限った問題ではなくて、自衛隊全体の問題です。そこも正確に説明すべきでした。

時代遅れの戦術

 さらにいえば、米軍はいま、海兵隊の装備・戦術を一新する活動を始めています。自衛隊がやっているのは、これまで海兵隊がやっていた作戦です。せっかく技術を学んだ頃に、米軍は先へ進んでしまうのですから、気の毒な気もします。

 この番組をみて、改めて、装備の不足を感じました。水陸機動団には軽装甲車である水陸両用車しかありません。戦車のような重装備はもっていけないのです。その分、航空戦力で補ってもらえるのかというと、それも期待できません。陸海空自衛隊の合同作戦の能力は非常に低い。他に戦力を補う手段があるのかというと、それもない。隊員はひたすら汗を流していますが、果たして報われるのか。それが強く疑問として残る番組でした。

番組の最後のナレーション

 「一年にわたる水陸機動団の取材を通して強く感じたのは、国際情勢が厳しさを増す中で、日本の島々を守ることがリアルな問題として私たちの前に突きつけられているという現実でした。その一方で、万が一有事が起こったとき、自衛隊が十分に力を発揮できない事態が起こりうるのではないかという不安も抱きました。戦争のありようが大きく変わったいま、軍事力だけではなく広い視野で防衛を考えることや、いざという時に現場や政治が迷わずに判断できる環境を整えること。なにより大切なのは有事が起きないようにするための国としてのビジョンや戦略をもつ、ということではないでしょうか。日本の守り。その責任を現場に押しつけるようなことがあってはならない、と思います」。

 この番組の内容だと、やはり、現場に責任を押しつけてしまいそうです。自衛隊そのものが尖閣諸島を水陸機動団で守るという無茶なことを考えているのに、それは批判していません。水陸両用車だけで上陸作戦ができるかのように印象づけているのも問題です。全体として、あまり参考になる番組ではありませんでした。それに、「現場がかわいそう」式の評論もあまり感心しません。それは感情論に走りやすいからです。
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2021年02月21日

米軍の過激主義への対応

 military.comが米軍の白人至上主義過激団体への対処に関する記事を報じました。

 ブランドン・ラッセル(Brandon Russell)は、2016年にフロリダ州軍に志願したとき、腕に放射線のシンボルのタトゥーをしていました。

 3本のブレードがあるシンボルは当時は警報を発しなかったものの、警鐘のサインとなるべきでした。ラッセルは国内で最も極端なグループのひとつとされるアトムワッフェン・ディビジョン(the Atomwaffen Division)とよばれる危険なネオナチ・グループの共同創立者でした。タトゥーはドイツ語で「核兵器」を意味する「アトムワッヘン」を表しました。

 その兵士は後に、爆弾を作る物質がフロリダ州の集合住宅で発見されて、5年間収監の有罪判決を受けました。しかし、彼が現存しないウェブサイト「アイアン・マーチ(Iron March)」でチャットしている間に陸軍の基礎訓練の間に発見されるのを心配しているかと尋ねられたとき、彼は厄介な答えを返しました。

 「私は訓練でてきた友人とすべてについて100パーセントオープンでした」とラッセルはアイアン・マーチで書きました。ウェブサイトは世界規模の暴力とつながっています。「彼らはそれにていてすべて知っています。私は面白い奴だから、彼らも私を好きです」。

 軍隊で公に勤務するための過激主義の兵士の能力は、米議会議事堂で連邦警察官1人を含む5人が死亡した1月6日の暴動のあと、精査の最中です。退役軍人、予備役と州軍の隊員が暴徒の中での役割についての容疑で起訴され、連邦検察官はこれらの人びとの一部は「オース・キーバーズ(the Oath Keepers)」のような反政府グループとつながりがあるといいます。

 10月に議会のメンバーに提出され、今週にMilitary.com が入手した59ページの国防総省の報告書は、一部の白人至上主義グループが軍隊の中に達していることを示します。全体的な件数は低いものの、報告書は過激主義への参加と軍隊経験は「影響力の大きな事件を実行する立証された能力のために」国家安全保障上の懸念だと述べます。

 「Roll Call」は火曜日、国防総省は国内過激主義からの脅威にさらされているといい、最初に報告書の所見を詳述しました。

 特に懸念されるのは、白人至上主義や国家主義のイデオロギーを提唱し、戦闘と戦術的な経験を得る目的で軍の隊員を徴用したり、軍隊そのものに浸透しようとするグループだと報告書はつけ加えます。

 「彼らの団体に合法性をもたらし、攻撃を実行する能力を拡張するために、軍隊のメンバーはこれらのグループで高く称賛されます」と報告書は述べます。

 軍は軍隊内の白人至上主義の問題の範囲を評価するために取り組んでいます。昨年、議会で証言した専門家は、国防総省は過激主義の信条が理由で離隊させられたり、志願を禁止される隊員や将来の新入隊員の人数について信頼できるデータをもたないと指摘しました。

 カリフォルニア州の民主党議員、ピート・アギーラー下院議員(Rep. Pete Aguilar)は後に、国防法案に、軍が過激主義者の信条をどう評価するか研究するよう文言をつけ加えました。国防歳出小委員会の一員であるアーギラー議員は水曜日に電子メールでMilitary.comに対して、報告書は白人至上主義者たちがわが軍を単に訓練のためだけでなく、「彼らの主義に正当性を与え、彼らの組織に隊員を徴用するためにも活用している」ことを確認するといいました。

 「我々はこうした憎しみに満ちた過激主義者がわが軍に浸透するのを止めるために、さらに行動しなければなりせん」と彼はいいました。

 アーギラー議員は今週、可決されたら、国防総省が報告書の7つの勧告すべてを実施することを必要性となる法案を提出しました。それは志願する可能性がある者のタトゥーを分析するためにFBIと共に活動すること、より具体的な保安検査の質問を作成すること、過激主義者とのつながりを記録するために除隊の形式に新しい追跡規定を追加することを含みます。

 「この法案は勇敢な隊員を暴力的な過激主義者から守り続けるものです」とアーギラー議員はいいました。「我々が白人至上主義者とその他の過激主義者基準に合致するために、この国の政治状況がどうかに関係なく、私は国防総省の勧告を成文化するのを確実にしたい」。

 報告書は国防総省が7つの勧告のほとんどを実施するために活動をはじめていたことを指摘しますが、当局はどれだけの進展をみたかについて、すぐに回答しませんでした。報告書によれば、兵士が国内の過激主義とのつながりを理由に除隊させられた場合に、除隊の形式の識別子を追加することについての勧告は未だに見直し中です。

 7つの公式の勧告に含まれなかった報告書に含まれたもう一つの提案は、おそらく白人至上主義・白人国家主義への参加の最も大きなインジケータ、ソーシャルメディアのアカウントをチェックする必要性です。

 しかし、チェックをすることには課題が残ります。過激主義者は強力なプライバシー設定や匿名の投稿の背後にコンテンツを隠せるだけでなく、個人のプライバシーと民間の自由に関する懸念もあります。

 国防総省に所属していない者は誰でも軍隊が「公に入手可能な電子情報収集」とよぶものを認めることに同意しなければなりません。志願予定者のソーシャルメディアの投稿をすべて検索するのは、大変な作業になるかもしれないと、報告書は指摘します。

 「人材アナリストは、国防総省の身辺調査を受ける毎年数十万人の人びとについてインターネットを効果的、効率的に検索できません」と報告書は述べます。

 国防総省は年間に約400,000人の志願者を採用します。それらの約25万人は軍隊に入る契約に署名します。

 アーギラー議員は適格審査に取り組むには他の政府機関の協力が必要だと指摘しました。国防総省が利用できそうな商用ソーシャルメディアの検索と収集の機能はあると、報告書はつけ加えました。

 ラッセルがオンラインで過激主義者とのつながりを参照する唯一の隊員ではないと、報告書は指摘します。

 ある海軍隊員はアトムワッフェン・ディビジョンに参加するために1ダースの人びとを徴用しようとしてアイアン・マーチのウェブサイトを利用しました。ある陸軍技術兵は、至上主義グループのアイデンティティ・エウロパ(Identity Evropa)の徴用ポスターを共有しようとしてメッセンジャー・プラットフォームのディスコード(Discord)を利用しました。同じグループのある海兵隊のメンバーもディスコードでフルネームと軍の所属を明らかにしました。

 陸軍技術兵と海兵隊員ら既に除隊しています。アイアン・マーチのに人びとを徴用しようとした海軍隊員が未だに軍務についているかは不明です。

 報告書はにも言及します。レイシストのミームを投稿して、極右のプロパガンダを拡散したアイデンティティ・エウロパのメンバーと疑われるコリー・リーヴス空軍曹長(Master Sgt. Cory Reeves)にも言及します。リーヴスは2019年に技術軍曹に降格され、最初は軍に残るのを許されました。空軍は後に彼を除隊する手続きをとったと発表しました。

 陸軍予備役医師の中佐も、後にアメリカン・アイデンティティ・ムーブメント(American Identity Movement)とブランド変えをしたグループのメンバーとしてあげられます。この将校が予備役に未だにいるかは明らかではありません。

 報告書は、特定のグループとつながりを持たない軍隊の中のその他の白人至上主義者は暴力的活動を計画していたと指摘します。沿岸警備隊のクリストファー・ポール・ハソン中尉(Lt. Christopher Paul Hasson)は、検察官がメディアと議員を殺害する計画を立てていたと主張し、2020年に禁固13年の有罪判決を受けました。

 5月には、報告書が過激主義民兵とよぶボーガロー・ムーブメント(Boogaloo movement)と自称する3人が、ラスベガスでのブラック・ライブズ・マターの抗議の間に暴力を扇動しようと計画し、逮捕・起訴されました。陸軍予備役1人と退役軍人2人の3人は「モトロフ・カクテル(火炎瓶)を所持していて逮捕された」と報告書はつけ加えます。

 採用官は過激主義者を軍隊とさらなる訓練に参加させず、タトゥーやその他の警告を見抜くために連邦機関と調整し続ける上で重要な役割を演じる、と報告書はいいます。

 「それなしでは」と報告書は続けます。「国防総省は軍隊の良好な秩序と規律に損害を与えたり、さらに深刻な場合は、部隊、軍隊または合衆国に損害を生じるために国防総省の施設への就任済みのアクセスを利用するインサイダーからの脅威となり得る人員を軍隊に入れる危険をおかします」。

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 記事中のソーシャルメディアの投稿を調べるのが手間だという部分は、改善できる気がします。プログラムで大量の投稿を分析して、投稿者のリストを作り、それを志願者と照合するのです。ハンドルを使われると調査は困難ですが、実名を使っている者はチェックできます。

 イスラム用との米軍隊員が軍の施設内でテロ攻撃を行う事件はありましたが、本当に米軍の脅威となるインサイダー攻撃は白人至上主義者によるものです。米軍の資料を読んでも、過激主義といえば白人至上主義です。

 アメリカは民兵がイギリスと戦って独立を勝ち取りました。正規軍よりも先に民兵が先行したため、民兵の権利が憲法でも保障されています。その民兵は大半が白人でしたが、実は独立戦争では黒人兵士も大きな役割を果たしています。ところが、アメリカの独立といえば白人がやったとみなされ、他の人種は脇に追いやられます。これが白人至上主義を生んだのです。

 米軍は人種差別を許容しないといいますが、それは未だに人種差別があるから厳しい規律を必要としているともいえます。

 ドナルド・トランプが火をつけたこのムーブメントは、米軍にとって大きな脅威です。この記事に紹介されている事例はかなり深刻で、想像以上に問題が大きいことを示します。今後、米軍内でテロ攻撃が起きても不思議ではないと思えます。
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2021年02月11日

「そうりゅう」接触事故の疑問など

 海上自衛隊の潜水艦「そうりゅう」と貨物船「オーシャン・アルテミス」の衝突事故について、これまでに分かったことから考えます。

 第5管区海上保安本部の調査で、貨物船の損傷は船首にあるバルバスバウ付近に擦り傷、へこみ、亀裂があることが分かりました。これは潜水艦が貨物船の前に出ようとして接触したことを示します。そうりゅうが周囲に船がいないと思ったというのが本当なら、これは致命的な失敗でした。また、潜望鏡を見えにくくするために、船の後方にできる波がある付近に出ようとして、船との距離や方位を誤ったのだとしても、致命的な失敗でした。後方から接触したのと違い、船の前方に衝突したのだから、それだけ衝撃は激しかったはずだからです。擦り傷だけでなく、へこみと亀裂が認められたことから、潜水艦の損傷もかなり大きいといわなければなりません。

 その時、海面に出ているのは潜望鏡のみで、船体は海中にあったはずですが、大型貨物船の船底は潜水艦に接触するだけ深い水中にあります。急速潜航を命じても、すぐに降下できるはずはなく、まもなく艦橋が貨物船の船底に接触したのです。

 潜望鏡深度では海面に出すのは潜望鏡だけで、通信アンテナやシュノーケルは出しません。金属製の部品を出せば出すほど、水上レーダーに捉えられやすくなるからです。ニュース映像から分かるのは艦橋の外板が壊れていることです。見た感じでは一層目の外板は壊れていますが、その内側にある二層目の外板は壊れていないようです。おそらく、艦内への浸水もなかったでしょう。これで通信アンテナが壊れた理由は明確ではありません。船体内にあった通信アンテナがなぜ壊れたのでしょうか?。潜望鏡も接触したということですから、長く伸びた潜望鏡が船体内で歪むなどして、それが通信アンテナを壊したのかもしれません。しかし、正確なところは分かりません。

 いずれにせよ、海自の潜水艦は遠方との連絡手段は無線機と艦橋の通信アンテナだけで、そこが壊れると連絡しようがないことが分かりました。携帯電話の圏内から出ると、遭難しようが攻撃で損傷しようが、通信アンテナが壊れていたら、救援をよぶことができないのです。自衛隊は本当に戦争があるとは思っておらず、危機感を煽ることで存在感を出したり、予算を得ているため、こういう細かな危機への対策はしていないことが、改めて浮き彫りになりました。
posted by スパイク通信員 at 09:16| Comment(0) | 日記