2021年02月21日

米軍の過激主義への対応

 military.comが米軍の白人至上主義過激団体への対処に関する記事を報じました。

 ブランドン・ラッセル(Brandon Russell)は、2016年にフロリダ州軍に志願したとき、腕に放射線のシンボルのタトゥーをしていました。

 3本のブレードがあるシンボルは当時は警報を発しなかったものの、警鐘のサインとなるべきでした。ラッセルは国内で最も極端なグループのひとつとされるアトムワッフェン・ディビジョン(the Atomwaffen Division)とよばれる危険なネオナチ・グループの共同創立者でした。タトゥーはドイツ語で「核兵器」を意味する「アトムワッヘン」を表しました。

 その兵士は後に、爆弾を作る物質がフロリダ州の集合住宅で発見されて、5年間収監の有罪判決を受けました。しかし、彼が現存しないウェブサイト「アイアン・マーチ(Iron March)」でチャットしている間に陸軍の基礎訓練の間に発見されるのを心配しているかと尋ねられたとき、彼は厄介な答えを返しました。

 「私は訓練でてきた友人とすべてについて100パーセントオープンでした」とラッセルはアイアン・マーチで書きました。ウェブサイトは世界規模の暴力とつながっています。「彼らはそれにていてすべて知っています。私は面白い奴だから、彼らも私を好きです」。

 軍隊で公に勤務するための過激主義の兵士の能力は、米議会議事堂で連邦警察官1人を含む5人が死亡した1月6日の暴動のあと、精査の最中です。退役軍人、予備役と州軍の隊員が暴徒の中での役割についての容疑で起訴され、連邦検察官はこれらの人びとの一部は「オース・キーバーズ(the Oath Keepers)」のような反政府グループとつながりがあるといいます。

 10月に議会のメンバーに提出され、今週にMilitary.com が入手した59ページの国防総省の報告書は、一部の白人至上主義グループが軍隊の中に達していることを示します。全体的な件数は低いものの、報告書は過激主義への参加と軍隊経験は「影響力の大きな事件を実行する立証された能力のために」国家安全保障上の懸念だと述べます。

 「Roll Call」は火曜日、国防総省は国内過激主義からの脅威にさらされているといい、最初に報告書の所見を詳述しました。

 特に懸念されるのは、白人至上主義や国家主義のイデオロギーを提唱し、戦闘と戦術的な経験を得る目的で軍の隊員を徴用したり、軍隊そのものに浸透しようとするグループだと報告書はつけ加えます。

 「彼らの団体に合法性をもたらし、攻撃を実行する能力を拡張するために、軍隊のメンバーはこれらのグループで高く称賛されます」と報告書は述べます。

 軍は軍隊内の白人至上主義の問題の範囲を評価するために取り組んでいます。昨年、議会で証言した専門家は、国防総省は過激主義の信条が理由で離隊させられたり、志願を禁止される隊員や将来の新入隊員の人数について信頼できるデータをもたないと指摘しました。

 カリフォルニア州の民主党議員、ピート・アギーラー下院議員(Rep. Pete Aguilar)は後に、国防法案に、軍が過激主義者の信条をどう評価するか研究するよう文言をつけ加えました。国防歳出小委員会の一員であるアーギラー議員は水曜日に電子メールでMilitary.comに対して、報告書は白人至上主義者たちがわが軍を単に訓練のためだけでなく、「彼らの主義に正当性を与え、彼らの組織に隊員を徴用するためにも活用している」ことを確認するといいました。

 「我々はこうした憎しみに満ちた過激主義者がわが軍に浸透するのを止めるために、さらに行動しなければなりせん」と彼はいいました。

 アーギラー議員は今週、可決されたら、国防総省が報告書の7つの勧告すべてを実施することを必要性となる法案を提出しました。それは志願する可能性がある者のタトゥーを分析するためにFBIと共に活動すること、より具体的な保安検査の質問を作成すること、過激主義者とのつながりを記録するために除隊の形式に新しい追跡規定を追加することを含みます。

 「この法案は勇敢な隊員を暴力的な過激主義者から守り続けるものです」とアーギラー議員はいいました。「我々が白人至上主義者とその他の過激主義者基準に合致するために、この国の政治状況がどうかに関係なく、私は国防総省の勧告を成文化するのを確実にしたい」。

 報告書は国防総省が7つの勧告のほとんどを実施するために活動をはじめていたことを指摘しますが、当局はどれだけの進展をみたかについて、すぐに回答しませんでした。報告書によれば、兵士が国内の過激主義とのつながりを理由に除隊させられた場合に、除隊の形式の識別子を追加することについての勧告は未だに見直し中です。

 7つの公式の勧告に含まれなかった報告書に含まれたもう一つの提案は、おそらく白人至上主義・白人国家主義への参加の最も大きなインジケータ、ソーシャルメディアのアカウントをチェックする必要性です。

 しかし、チェックをすることには課題が残ります。過激主義者は強力なプライバシー設定や匿名の投稿の背後にコンテンツを隠せるだけでなく、個人のプライバシーと民間の自由に関する懸念もあります。

 国防総省に所属していない者は誰でも軍隊が「公に入手可能な電子情報収集」とよぶものを認めることに同意しなければなりません。志願予定者のソーシャルメディアの投稿をすべて検索するのは、大変な作業になるかもしれないと、報告書は指摘します。

 「人材アナリストは、国防総省の身辺調査を受ける毎年数十万人の人びとについてインターネットを効果的、効率的に検索できません」と報告書は述べます。

 国防総省は年間に約400,000人の志願者を採用します。それらの約25万人は軍隊に入る契約に署名します。

 アーギラー議員は適格審査に取り組むには他の政府機関の協力が必要だと指摘しました。国防総省が利用できそうな商用ソーシャルメディアの検索と収集の機能はあると、報告書はつけ加えました。

 ラッセルがオンラインで過激主義者とのつながりを参照する唯一の隊員ではないと、報告書は指摘します。

 ある海軍隊員はアトムワッフェン・ディビジョンに参加するために1ダースの人びとを徴用しようとしてアイアン・マーチのウェブサイトを利用しました。ある陸軍技術兵は、至上主義グループのアイデンティティ・エウロパ(Identity Evropa)の徴用ポスターを共有しようとしてメッセンジャー・プラットフォームのディスコード(Discord)を利用しました。同じグループのある海兵隊のメンバーもディスコードでフルネームと軍の所属を明らかにしました。

 陸軍技術兵と海兵隊員ら既に除隊しています。アイアン・マーチのに人びとを徴用しようとした海軍隊員が未だに軍務についているかは不明です。

 報告書はにも言及します。レイシストのミームを投稿して、極右のプロパガンダを拡散したアイデンティティ・エウロパのメンバーと疑われるコリー・リーヴス空軍曹長(Master Sgt. Cory Reeves)にも言及します。リーヴスは2019年に技術軍曹に降格され、最初は軍に残るのを許されました。空軍は後に彼を除隊する手続きをとったと発表しました。

 陸軍予備役医師の中佐も、後にアメリカン・アイデンティティ・ムーブメント(American Identity Movement)とブランド変えをしたグループのメンバーとしてあげられます。この将校が予備役に未だにいるかは明らかではありません。

 報告書は、特定のグループとつながりを持たない軍隊の中のその他の白人至上主義者は暴力的活動を計画していたと指摘します。沿岸警備隊のクリストファー・ポール・ハソン中尉(Lt. Christopher Paul Hasson)は、検察官がメディアと議員を殺害する計画を立てていたと主張し、2020年に禁固13年の有罪判決を受けました。

 5月には、報告書が過激主義民兵とよぶボーガロー・ムーブメント(Boogaloo movement)と自称する3人が、ラスベガスでのブラック・ライブズ・マターの抗議の間に暴力を扇動しようと計画し、逮捕・起訴されました。陸軍予備役1人と退役軍人2人の3人は「モトロフ・カクテル(火炎瓶)を所持していて逮捕された」と報告書はつけ加えます。

 採用官は過激主義者を軍隊とさらなる訓練に参加させず、タトゥーやその他の警告を見抜くために連邦機関と調整し続ける上で重要な役割を演じる、と報告書はいいます。

 「それなしでは」と報告書は続けます。「国防総省は軍隊の良好な秩序と規律に損害を与えたり、さらに深刻な場合は、部隊、軍隊または合衆国に損害を生じるために国防総省の施設への就任済みのアクセスを利用するインサイダーからの脅威となり得る人員を軍隊に入れる危険をおかします」。

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 記事中のソーシャルメディアの投稿を調べるのが手間だという部分は、改善できる気がします。プログラムで大量の投稿を分析して、投稿者のリストを作り、それを志願者と照合するのです。ハンドルを使われると調査は困難ですが、実名を使っている者はチェックできます。

 イスラム用との米軍隊員が軍の施設内でテロ攻撃を行う事件はありましたが、本当に米軍の脅威となるインサイダー攻撃は白人至上主義者によるものです。米軍の資料を読んでも、過激主義といえば白人至上主義です。

 アメリカは民兵がイギリスと戦って独立を勝ち取りました。正規軍よりも先に民兵が先行したため、民兵の権利が憲法でも保障されています。その民兵は大半が白人でしたが、実は独立戦争では黒人兵士も大きな役割を果たしています。ところが、アメリカの独立といえば白人がやったとみなされ、他の人種は脇に追いやられます。これが白人至上主義を生んだのです。

 米軍は人種差別を許容しないといいますが、それは未だに人種差別があるから厳しい規律を必要としているともいえます。

 ドナルド・トランプが火をつけたこのムーブメントは、米軍にとって大きな脅威です。この記事に紹介されている事例はかなり深刻で、想像以上に問題が大きいことを示します。今後、米軍内でテロ攻撃が起きても不思議ではないと思えます。
posted by スパイク通信員 at 12:17| Comment(0) | 日記