2021年02月23日

劣化ウランは湾岸戦争病の原因ではないとの研究報告

 military.comによれば、新しい研究は1991年の湾岸戦争で戦車と砲弾の中の劣化ウランは、湾岸戦争シンドロームとして知られる、退役軍人たちがその後の数年間に直面した説明できない病気に関与しないと結論しました。

 テキサス大学サウスウェスタン・メディカルセンター(the University of Texas Southwestern Medical Center)とイギリスのポーツマス大学(the University of Portsmouth)による調査結果は、現在、湾岸戦争病(Gulf War illness)として知られる多くの病気の潜在的原因についての軍と復員軍人援護局の数十年間の理解と対立します。

 「劣化ウランが病気を起こすに十分な量で病者たちの中に存在せず、決して存在しなかったことは、過去30年間にわたり、劣化ウランが病気の原因ではないかと疑ってきた患者を含めて多くの人を驚かせるでしょう」と、曝露を追跡するために退役軍人の尿をスキャンするために研究の手法を開発したポーツマス大学のウラニウム・アイソトープの専門家、ランダル・パリッシュ(Randall Parrish)はいいました。

 研究は106人は湾岸戦争病にかかり、48人はかかっっていない退役軍人154人の尿中の劣化ウランのレベルを調べました。

 退役軍人の尿中のアイソトープを探知するのに用いた正確さのレベルと研究に関与した期間により、調査結果は劣化ウランの曝露と湾岸戦争病の間につながりがあるかについて決定的な答えを提供するかもしれないと、ダラスに拠点を置く研究病院のサウスウェスタン・メディカルセンターで感染症部長のロバート・ハーレイ博士(Dr. Robert Haley)は電話インタビューでマクラッチー誌(McClatchy )にいいました。

 研究は資金提供と評価に20年を費やしました。2008年と2010年の間、研究者たちは退役軍人それぞれを、いかなるその他の変化を除外するために一週間の統制された観察のために入院させてきたと、ハーレイ博士はいいました。研究報告は木曜日に、同業者により評価される専門誌「Scientific Reports」に公表されることになっています。

 研究が引用した2000年の国防総省の報告書によれば、アメリカと同盟国の戦車、航空機と大砲は1991年の地上侵攻の間に約300トンの劣化ウラン弾をイラク南部に撃ちました。

 砂漠の嵐作戦のために、500,000人とみつもられる米兵が中東に派遣されました。復員軍人援護局によれば、それらの約25%が倦怠感、頭痛、関節痛、目まい、呼吸器疾患と記憶障害を含む慢性症状を報告しています。

 何年間も、湾岸戦争の退役軍人で元陸軍将校のラリー・チェニー(Larry Chaney)は劣化ウランが彼が被った麻痺に関与したかもしれないと疑っていました。約30年前、1991年2月27日、最大の戦車戦作戦の間に2台の車両が友軍の砲撃で破壊されたとき、チェニーはM2A1ブラッドレー歩兵戦闘車の小隊を率いる27歳の中尉でした。

 「鮮明な閃光」があったと、チェニーはマクラッチー誌との電話インタビューでいいました。「2個の劣化ウランの小片が私の頭皮を打ち、衝撃が私を襲いました」。

 チェニーは研究の参加者となりました。彼は、彼が劣化ウランは湾岸戦争病の軽い症状と呼んだものの原因ではなかったという調査結果を信頼するといいました。彼が共に勤めた退役軍人はイラクで、多くの癌と甲状腺の問題につながったかもしれない神経剤に曝露された可能性をさらに懸念しました。

 研究は隊員が皮膚に劣化ウランを埋め込まれたかもしれない破片に当たったかどうかや、戦場の空中粒子の吸入をつうじて曝露したと疑ったかどうかのような、曝露のレベルに基づいて長期の間に血流の中から発見されたと予測される劣化ウランの量も計算しました。

 湾岸戦争病の症状がない48人の参加者の約半数は砂漠の嵐作戦のためにまったく中東に派遣されず、劣化ウランの曝露を経験しませんでした。

 しかし、湾岸戦争病にかかっている者と病気にかかっていない制御されたグループの両方で、結果は同じでした。研究は劣化ウランの大きな痕跡を見いださなかったとハーレイ博士はいいました。

 「受け入れられた症例の定義の一つの湾岸戦争シンドロームにかかっているかどうか、彼らの症状の種類に関係なく、曝露の種類に関係なく、我々は何も発見しませんでした」と彼はいいました。

 調査結果は復員軍人援護局の派遣後医療部の主任顧問、パトリシア・ハスティングス博士(Dr. Patricia Hastings)の評価を受けることになっていると、声明されました。

 「劣化ウランが慢性の複合症状の病気の原因でないらしいという研究は、メリーランド州のボルチモア市にある復員軍人援護局の劣化ウランセンターの科学者によって評価されるでしょう」とハスティングス博士はいいました。

 復員軍人援護局はこの研究の初期の発見の一部を提供しました」と彼女はいいました。

 劣化ウランは9/11後にイラクとアフガニスタンに派遣された退役軍人が直面した病気でも疑われています。

 コリーン・ボウマン(Coleen Bowman)の亡夫、ロバート・ボウマン陸軍曹長(Sgt. Maj. Robert Bowman)は2004年にイラクに派遣された陸軍のレンジャー隊員でした。彼のストライカー装甲車は12ヶ月間海外にいる間に少なくとも13回敵の攻撃が命中しました。ストライカーの装甲の中の劣化ウランは攻撃を和らげました。彼は2013年に44歳で胆管癌で亡くなりました。

 彼の医療記録の中で、テキサス州のエル・パソ(El Paso)の陸軍医療センターでボウマンを治療した医師は2011年に、珍しい癌は「増強された装甲車の燃えた劣化ウラン」を含む環境の要因と関係があると書きました。

 「彼の症状に他の合理的な説明はありません」と医師は結論しました。

 毒物への他の曝露に関して軍隊の配偶者と何年間も接触して過ごしたコリーン・ボウマンは、彼女は研究とその結論を歓迎するといいました。

 彼女は湾岸戦争病の研究者たちが、退役軍人の新世代の曝露も研究することを望むといいました。

 「私には、ロブの癌を生んだ物質が何かを知ることができるとは思えません」とボウマンはマクラッチー誌に電話インタビューでいいました。

 「でも、多くの退役軍人は9/11後に尿中に高いレベルの劣化ウランを示しました」と彼女はいいました。「ロブの部隊の退役軍人もです」。

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 長期にわたる専門家の研究の要旨を読んだだけなので、その意味を語ることはできませんが、一つの区切りが起こったのかという気はしました。湾岸戦争シンドロームで苦しむ人たちの話は何度も聞きましたし、砲弾が命中して飛び散った劣化ウランに何か原因があるのかと考えたこともありました。しかし、健康な人との差はないということですから、それで納得するしかないのかもしれません。

 しかし、コリーン・ボウマンがいうように、9/11後に劣化ウランのレベルが高かったのなら、その影響はないのでしょうか。この研究は2008年から行われたのだから、2001年の9/11からかなりの年月が経っています。アフガニスタンには少数ながらすぐに部隊が派遣され、イラクでは2003年に地上戦を始めています。この戦いの初期に劣化ウランに曝露した場合はどうなのでしょうか?。復員軍人援護局の評価にも注目してきたいと思います。
posted by スパイク通信員 at 08:29| Comment(0) | 日記