military.comによれば、オーストラリアはアメリカとその他の同盟国に合わせ、9月にアフガニスタンから兵士の撤退を完了するとオーストラリア首相は木曜日にいいました。
NATOが率いる任務へのオーストラリアの貢献はかつて、15,000人の隊員を持ちましたが、80人のみが残っています。
「アメリカとその他の同盟国とパートナーに合わせて、最後に残ったオーストラリア兵が9月にアフガニスタンを発ちます」とスコット・モリソン首相(Prime Minister Scott Morrison )は日を指定することなくいいました。
「この決定はオーストラリアの軍の歴史における重要なマイルストーンを表します」と彼はつけ加えました。
ジョー・バイデン大統領(President Joe Biden)は、最後の2,500人の米兵を、戦役のきっかけとなったアメリカに対する9月11日のテロ攻撃の20回目の記念日の前にアフガニスタンから撤退させる計画です。
2001年以降、39,000人以上の隊員がアフガニスタンで勤務し、41人がそこで殺されました。
モリソン首相は2002年と2014年の間に死んだオーストラリア兵の名前を読み上げているときに感情的になりました。彼はアフガニスタン戦は犠牲に値したといいました。
「自由はいつもそれに値します。オーストラリア人はいつもそれを信じています。それは国防軍に勤務するオーストラリア人がいつもその制服を身につける理由です」とモリソン首相はいいました。
「その制服を身につけ、その旗の下で奉仕し、それらのために立ち向かうことは、オーストラリア人が行うものであり、これら41人の勇敢な男たちが他のオーストラリア人が望み得たこと以上を発揮したものです」と彼はつけ加えました。
ジェンス・ストーレンバーグNATO事務局長(NATO Secretary General Jens Stoltenberg)は、同盟国の完全撤退は数カ月でなされるといいましたが、9月11日の記念日には言及しませんでした。
オーストラリア軍のアフガニスタンでのレガシーは戦争犯罪の申し立てで、ここ数年で色褪せています。昨年、オーストラリアは、2005年から2016年までに犯罪に関与したと疑われるオーストラリア特殊部隊に対する犯罪訴訟を起こすための調査機関を立ち上げました。
11月に公表された軍の報告書は、精鋭のオーストラリア兵が非合法にアフガン人捕虜、農民と民間人39人を殺した証拠を見出しました。報告書は現役・退役兵士19人を犯罪調査にかけることを勧告しました。
2013年に空軍特殊部隊を去った時にオーストラリアの最も表彰されたメンバー、ベンジャミン・ロバーツ=スミス(Benjamin Roberts-Smith)は、違法な殺害を含めて捕虜を非合法に扱ったことで、元同僚から起訴されています。アフガニスタンでの軍務で戦勝十字章(the Victoria Cross)と武勲章(the Medal for Gallantry)を受勲した元伍長はいかなる不法行為も否定しています。
オーストラリアはアメリカが率いるテロとの戦争で強固な同盟国になりました。2003年、ジョージ・W・ブッシュ大統領(President George W. Bush)は、ハワード首相がイラク侵攻で米軍と英軍を支援することを表明した後で、ジョン・ハワード首相(Prime Minister John Howard)を「鋼鉄の男」と評しました。
ーーーーーーーーーー
アフガニスタンにいる外国部隊は全面的に撤退することになりました。やはり、タリバンへの信頼の方が勝ってしまい、各国の軍隊の活動は地元に受け入れられなかったということです。これまで、農業支援を試みたり、民間人の犠牲を減らすなどの工夫がなされたものの、外国人は信頼されなかった訳です。
日本もかつて中国を簡単に奪えると考え、満州国を建国したりしましたが、地元民が外国よりも地元を信頼するのは当たり前のことで、地に根を生やすことはできませんでした。このことは、教訓として身につけておかなければなりません。相手の文化レベルが低いようでも、楽観的な考え方は一切できないということです。これが土地を持つ側のアドバンテージなのです。
日本もあまり過去の戦争から学んでいません。こうした地元の優位点を理解しないで戦略を考えているように思えます。海賊対策として確保したジブチの拠点も、実は中東からのシーレーン確保に活用するという別の狙いがあります。石油のためとはいえ、文化がまったく違う場所に拠点を設けることには疑問があります。
2021年04月17日
オーストラリア軍もアフガンから撤退へ
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| 日記
2021年04月15日
トランプ政権のドイツ駐留米軍削減をバイデン政権が反転
military.comによれば、ロイド・オースティン国防長官(Defense Secretary Lloyd Austin)は火曜日、彼がドイツの米軍駐留を500人まで拡大し、トランプ政権が命じた大規模な兵削減の計画を中止していると発表しました。
「この計画された米要員の増加は、我々のドイツと全NATO同盟国への責任を強調します」と、ドイツは国防と安全保障において弱いパートナーだというトランプ政権が繰り返した不満への注目に値する対極点について、オースティンはいいました。
オースティンは1月に国防総省のチーフとなってから最初のヨーロッパ訪問で、ドイツのアンネグレート・クランプ=カレンバウアー(国防大臣(Defense Minister Annegret Kramp-Karrenbauer )との会談のあとに発表を行いました。
クランプ=カレンバウアー国防大臣は発表を、健全な米独関係の「強力なシグナル」として歓迎しました。
彼らは、トランプ政権がタリバンに約束した期限、5月1日までにアフガニスタンから完全に撤退するかどうかについて、ジョー・バイデン大統領(President Joe Biden)が未決定であることも議論しました。ドイツはアフガニスタンにおけるアメリカが主導する同盟の主要部分です。
オースティン長官はクランプ=カレンバウアーとの合同記者会見で、臨時の500人は早ければこの秋に、ドイツのウィースバーデン(Wiesbaden)の地域に永続的に配置されるといいました。
「これらの部隊は抑止を強化し、ヨーロッパを守るでしょう。それらは紛争を防ぎ、必要なら戦って、勝つための現存する能力を増加するでしょう」とオースティンは準備した意見の中でいいました。
「これはヨーロッパにおける、さらなる宇宙・サイバー・電子戦の能力も作るでしょう」と彼はつけ加え、さらに「我が同盟を守るために、即座に部隊急増する我々の能力を多大に増大するでしょう」といいました。
昨年、ドナルド・トランプ大統領(President Donald Trump)は、彼が国の防衛により多くを費やすのを拒否したと見るものへの報復として、 12,000人の兵士のドイツからの撤退を命令しました。オースティンは就任直後にその動きを止めました。彼は兵士のレベルについての決定は、ヨーロッパを含めた世界中の米軍駐留の包括的評価の一部としてなされるといいました。
オースティンの火曜日の発表は、彼がトランプの決定を実行しないかもしれないことの最初の確固とした兆候で、それは米欧州軍司令部をドイツからベルギーへ動かすことを含みます。
アメリカは現在、約35,000人の兵士をドイツに持ちます。
500兵士を加える決定はワシントンがトランプの決定を実行しないことを意味するのかと問われ、オースティンは国防総省は兵士削減の「計画を止めた」といいました。
ドイツの大臣は、彼女が「過去に計画されたような兵士削減はないだろう」とバイデンから言葉を得ていたといいました。
「今日、私はオースティン長官から、かわりに500人以上がここに配置されるだろうという、心地よい発表と保証を受け取りました」と彼女はいいました。「それは、よき友人とパートナーの中でどうあるべきかということです。互いに言葉を与え、それを守るということです」。
ーーーーーーーーーー
時間がないため簡単にします。
この記事ではアフタにスタン撤退が未定だと書いていますが、今朝の報道で、バイデン大統領が今年9月11日までに撤退することを表明しました。
駆け引きが好きなトランプと違い、バイデンは現実的な判断をしたということと評価できます。戦闘部隊ではなく、電子・サイバー戦などの部隊が増強されるとのことで、米軍の改変に関する部隊が派遣されるということです。
「この計画された米要員の増加は、我々のドイツと全NATO同盟国への責任を強調します」と、ドイツは国防と安全保障において弱いパートナーだというトランプ政権が繰り返した不満への注目に値する対極点について、オースティンはいいました。
オースティンは1月に国防総省のチーフとなってから最初のヨーロッパ訪問で、ドイツのアンネグレート・クランプ=カレンバウアー(国防大臣(Defense Minister Annegret Kramp-Karrenbauer )との会談のあとに発表を行いました。
クランプ=カレンバウアー国防大臣は発表を、健全な米独関係の「強力なシグナル」として歓迎しました。
彼らは、トランプ政権がタリバンに約束した期限、5月1日までにアフガニスタンから完全に撤退するかどうかについて、ジョー・バイデン大統領(President Joe Biden)が未決定であることも議論しました。ドイツはアフガニスタンにおけるアメリカが主導する同盟の主要部分です。
オースティン長官はクランプ=カレンバウアーとの合同記者会見で、臨時の500人は早ければこの秋に、ドイツのウィースバーデン(Wiesbaden)の地域に永続的に配置されるといいました。
「これらの部隊は抑止を強化し、ヨーロッパを守るでしょう。それらは紛争を防ぎ、必要なら戦って、勝つための現存する能力を増加するでしょう」とオースティンは準備した意見の中でいいました。
「これはヨーロッパにおける、さらなる宇宙・サイバー・電子戦の能力も作るでしょう」と彼はつけ加え、さらに「我が同盟を守るために、即座に部隊急増する我々の能力を多大に増大するでしょう」といいました。
昨年、ドナルド・トランプ大統領(President Donald Trump)は、彼が国の防衛により多くを費やすのを拒否したと見るものへの報復として、 12,000人の兵士のドイツからの撤退を命令しました。オースティンは就任直後にその動きを止めました。彼は兵士のレベルについての決定は、ヨーロッパを含めた世界中の米軍駐留の包括的評価の一部としてなされるといいました。
オースティンの火曜日の発表は、彼がトランプの決定を実行しないかもしれないことの最初の確固とした兆候で、それは米欧州軍司令部をドイツからベルギーへ動かすことを含みます。
アメリカは現在、約35,000人の兵士をドイツに持ちます。
500兵士を加える決定はワシントンがトランプの決定を実行しないことを意味するのかと問われ、オースティンは国防総省は兵士削減の「計画を止めた」といいました。
ドイツの大臣は、彼女が「過去に計画されたような兵士削減はないだろう」とバイデンから言葉を得ていたといいました。
「今日、私はオースティン長官から、かわりに500人以上がここに配置されるだろうという、心地よい発表と保証を受け取りました」と彼女はいいました。「それは、よき友人とパートナーの中でどうあるべきかということです。互いに言葉を与え、それを守るということです」。
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時間がないため簡単にします。
この記事ではアフタにスタン撤退が未定だと書いていますが、今朝の報道で、バイデン大統領が今年9月11日までに撤退することを表明しました。
駆け引きが好きなトランプと違い、バイデンは現実的な判断をしたということと評価できます。戦闘部隊ではなく、電子・サイバー戦などの部隊が増強されるとのことで、米軍の改変に関する部隊が派遣されるということです。
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| 日記
2021年04月12日
議事堂占拠事件の詳細が明らかに
military.comによれば、暴徒が警察官を殴り、建物を破壊したとき、1月6日に米連邦議会議事堂の安全な部屋から、マイク・ペンス副大統領(Vice President Mike Pence)は統制を主張しようとしました。国防副長官への緊急電話の中で、彼は驚くような要請を出しました。
「議会議事堂を掃討してくれ」とペンスはいいました。
建物の中の他の場所では、上院の多数派指導者、チャック・シューマー(Chuck Schumer)と下院議長、ナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)は軍指揮官に同様の差し迫った訴えをしていました。
「我々には助けが必要です」とニューヨーク州選出の民主党議員、シューマーは、上院の議場が突破されてから一時間以上あとに切羽詰まっていいました。
国防総省では、政府関係者たちが騒乱がワシントンに限られず、他州の議事堂が同様の暴力に直面して、国家的な反乱の様相を呈しているという報道を議論しているところでした。
「我々は命令を出さなければなりません」と統合参謀本部議長、マーク・ミレー大将は国防総省の指導者との電話でいいました。
しかし、命令は何時間も復帰されませんでした。
ジョー・バイデン(Joe Biden)の当選の議会の確認の間、1月6日の命を奪った暴動の、これらの新しい詳細は、AP通信が入手して現役と元の政府当局者が吟味した、国防総省が内部使用のために準備した、かつては非公開の書類を含みます。
タイムラインは暴動が行われた間の恐怖とパニックの状況について、もう一つの層をつけ加え、当時の大統領、ドナルド・トランプ(Donald Trump)による不作為と、その無力が軍隊と法執行機関による対応を遅らせるのにどのように寄与したかを暴露します。それは情報の誤り、戦術的エラーと官僚主義的な遅れが自国民による暴力的な反乱規模と激しさを理解するのを政府が失敗したことにより損なわれたことを示します。
トランプが関与しなかったので、混乱を収めるために、国防総省当局者、少数のホワイトハウスの側近、議会指導者と副大統領が安全な地下室に身を隠すことになりました。
1月6日午後4時8分、暴徒等が議事堂をうろつき、彼らが脅迫的にペロシの名を叫び、ペンスを吊せと叫んだあと、副大統領は保護された場所にいて、クリストファー・ミラー国防長官代理(Christopher Miller)に電話をかけて、答えを求めていました。
電話は一分間続きました。書面によると、ペンスは議事堂が危険だといい、彼は軍指揮官に建物の安全を確保する最終期限を尋ねました。
政府指導者たちはほんの3日前に州軍の使用について議論していました。1月3日午後、ミラーとミレーは1月6日について話すために他の議会のメンバーと共に集まりました。彼らはトランプにも会いました。
AP通信が入手した情報によれば、ホワイトハウスでの会合で、トランプはワシントン特別区の州軍を動員することを承認し、国防長官代理に事件が明らかになったら必要な行動をなんでも行えといいました。
州軍の役割は、特別区当局に委任された厳格な制限に部分的に基づき、街中の交差点と検問所に限られていました。ミラーもライアン・マッカーシー陸軍長官(Army Secretary Ryan McCarthy)に必要なら派遣することを承認し、特別区の州軍緊急対応部隊はアンドリュース合同基地(Joint Base Andrews)に配置されていました。
トランプ政権と国防総省は、ミネアポリス市(Minneapolis)で警察官がジョージ・フロイド(George Floyd)を殺したあとの市民の暴動に対処する努力の中で、必要以上に見える従軍と法執行機関の活動のために当局が直面した批判もあって、大量の軍隊の駐留に慎重でした。
1月6日朝までに、群衆はトランプの演説を前にホワイトハウス近くにあるエリプス(Ellipse)に集まりはじめました。国防総省の計画によると、国防副長官は群衆が20,000人を超えるまでに膨れ上がったと知らされただけでした。
間もなく、群衆はイベントを統制する上で、秩序を維持するためにそこにいる兵士と法執行官よりも、ずっと多いのは明らかになりました。
正午の直後にトランプは支持者たちに議事堂に行進するよういいました。午後1時30分までには、集会での群衆の規模は少なくとも10,000人でした。行進が動きました。
抗議者達たちが議事堂の敷地に到着すると、一部がすぐに暴力的になり、建物前の弱い警察のバリアを壊し、彼らの邪魔をする議事堂警察官を殴りました。
午後1時49分、当時の議事堂警察署長、スティーブン・サンド(Steven Sund)は特別区州軍指揮官、ウィリアム・ウォーカー少将(Maj. Gen. William Walker)に、支援を求めるために電話をかけました。
20分後、午後2時10分頃、最初の暴徒たちが上院のドアと窓を突き破りはじめました。
サンド署長は再びウォーカー少将に電話をかけ、少なくとも200人の州兵と、「可能ならもっと送って欲しい」と要請しました。
国防総省のE棟三階で、陸軍指揮官たちは特別区州軍からの「パニック状態の」と彼らが説明する電話に群がっていました。状況の重大さが明らかになってくると、マッカーシーは会議から駆け出し、ミラーのオフィスへとホールを下り、会議の中に参入しました。
午後3時直後、陸軍長官は特別区警察を支援するために1,100人の州軍を動員することを「口頭で承認」し、兵士の派遣の任務、場所と部隊の規模の計画を立てました。
しかし、陸軍と州軍が検問所の全兵士を呼び、彼らに新しい道具を支給し、任務のための新しい計画を立てて、任務を彼らに説明したために、彼らは次の90分間、計画を実行するために苦闘しました。
午後3時19分、ペロシとシューマーは助けを求めて国防総省に電話をかけて、州軍が承認されたといわれました。
午後3時48分、特別区州軍が警察とつながるための計画に完全に派遣されていないことに苛立ち、マッカーシーは法執行機関との調整を助けるために国防総省から特別区警察本部へと急行しました。
トランプは午後4時17分に沈黙を破り、彼の支持者に「家に帰り、平静になれ」とツイートしました。
午後4時30分までに、軍の対応計画が完成し、ウォーカー少将は州軍を議事堂へ送る承認をしました。
完全な暴徒用装備を身につけて、州兵が午後5時20分に議事堂に到着しはじめました。
午後8時、議事堂は安全を宣言しました。
――――――――――
軍隊によくある、準備には時間がかかるという話です。仕舞い込まれている装備品を持ち出して、部隊に配るだけでも時間を要します。
さらに、アメリカには軍隊が民間生活にできるだけ干渉しないという、建国以来の習慣があります。そのため、暴動鎮圧に軍が出動するにはいつも時間がかかります。
その点では、出動にかかった時間はこんなものかも知れません。やはり、議事堂警察の態勢や装備の改善、議事堂内に遮蔽のためのシャッターを設置することが必要なのではないでしょうか。
今回はインターネットを通じてばらまかれた陰謀説が大量の暴徒を生んだ訳で、ロサンゼルス暴動とも様相が違います。メディアがきっかけになったのは共通していて、ロス暴動では、テレビ報道が黒人を殺した白人警察官が裁判で無罪になったことが報じられたのがきっかけでした。
ジョージ・フロイドが白人警察官に殺された後に起きたデモと暴動は、やはりテレビ報道がきっかけでした。しかし、現場で少女が撮影した殺害の映像という新しい要素も登場しています。ロス暴動のときは、こんな装置を誰もが持っていませんでした。暴動はあったものの、大半は平和的なデモでした。
ロス暴動では、事件後に住民たちが街の復興に立ち上がりましたが、そんな動きはありません。現場が議事堂という特殊な場所のためかも知れません。
日本で似たような事態が起きたら、政府はどうするのか?。都道府県の警察で対処できず、警視庁機動隊を派遣してもおさまらないと、自衛隊に治安出動命令が出そうです。日本にはアメリカのような民間生活に軍が干渉しないという伝統はありません。
余談ですが、記事に出てくる国防総省のE棟は、同時多発テロで倒壊したところでもあります。
「議会議事堂を掃討してくれ」とペンスはいいました。
建物の中の他の場所では、上院の多数派指導者、チャック・シューマー(Chuck Schumer)と下院議長、ナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)は軍指揮官に同様の差し迫った訴えをしていました。
「我々には助けが必要です」とニューヨーク州選出の民主党議員、シューマーは、上院の議場が突破されてから一時間以上あとに切羽詰まっていいました。
国防総省では、政府関係者たちが騒乱がワシントンに限られず、他州の議事堂が同様の暴力に直面して、国家的な反乱の様相を呈しているという報道を議論しているところでした。
「我々は命令を出さなければなりません」と統合参謀本部議長、マーク・ミレー大将は国防総省の指導者との電話でいいました。
しかし、命令は何時間も復帰されませんでした。
ジョー・バイデン(Joe Biden)の当選の議会の確認の間、1月6日の命を奪った暴動の、これらの新しい詳細は、AP通信が入手して現役と元の政府当局者が吟味した、国防総省が内部使用のために準備した、かつては非公開の書類を含みます。
タイムラインは暴動が行われた間の恐怖とパニックの状況について、もう一つの層をつけ加え、当時の大統領、ドナルド・トランプ(Donald Trump)による不作為と、その無力が軍隊と法執行機関による対応を遅らせるのにどのように寄与したかを暴露します。それは情報の誤り、戦術的エラーと官僚主義的な遅れが自国民による暴力的な反乱規模と激しさを理解するのを政府が失敗したことにより損なわれたことを示します。
トランプが関与しなかったので、混乱を収めるために、国防総省当局者、少数のホワイトハウスの側近、議会指導者と副大統領が安全な地下室に身を隠すことになりました。
1月6日午後4時8分、暴徒等が議事堂をうろつき、彼らが脅迫的にペロシの名を叫び、ペンスを吊せと叫んだあと、副大統領は保護された場所にいて、クリストファー・ミラー国防長官代理(Christopher Miller)に電話をかけて、答えを求めていました。
電話は一分間続きました。書面によると、ペンスは議事堂が危険だといい、彼は軍指揮官に建物の安全を確保する最終期限を尋ねました。
政府指導者たちはほんの3日前に州軍の使用について議論していました。1月3日午後、ミラーとミレーは1月6日について話すために他の議会のメンバーと共に集まりました。彼らはトランプにも会いました。
AP通信が入手した情報によれば、ホワイトハウスでの会合で、トランプはワシントン特別区の州軍を動員することを承認し、国防長官代理に事件が明らかになったら必要な行動をなんでも行えといいました。
州軍の役割は、特別区当局に委任された厳格な制限に部分的に基づき、街中の交差点と検問所に限られていました。ミラーもライアン・マッカーシー陸軍長官(Army Secretary Ryan McCarthy)に必要なら派遣することを承認し、特別区の州軍緊急対応部隊はアンドリュース合同基地(Joint Base Andrews)に配置されていました。
トランプ政権と国防総省は、ミネアポリス市(Minneapolis)で警察官がジョージ・フロイド(George Floyd)を殺したあとの市民の暴動に対処する努力の中で、必要以上に見える従軍と法執行機関の活動のために当局が直面した批判もあって、大量の軍隊の駐留に慎重でした。
1月6日朝までに、群衆はトランプの演説を前にホワイトハウス近くにあるエリプス(Ellipse)に集まりはじめました。国防総省の計画によると、国防副長官は群衆が20,000人を超えるまでに膨れ上がったと知らされただけでした。
間もなく、群衆はイベントを統制する上で、秩序を維持するためにそこにいる兵士と法執行官よりも、ずっと多いのは明らかになりました。
正午の直後にトランプは支持者たちに議事堂に行進するよういいました。午後1時30分までには、集会での群衆の規模は少なくとも10,000人でした。行進が動きました。
抗議者達たちが議事堂の敷地に到着すると、一部がすぐに暴力的になり、建物前の弱い警察のバリアを壊し、彼らの邪魔をする議事堂警察官を殴りました。
午後1時49分、当時の議事堂警察署長、スティーブン・サンド(Steven Sund)は特別区州軍指揮官、ウィリアム・ウォーカー少将(Maj. Gen. William Walker)に、支援を求めるために電話をかけました。
20分後、午後2時10分頃、最初の暴徒たちが上院のドアと窓を突き破りはじめました。
サンド署長は再びウォーカー少将に電話をかけ、少なくとも200人の州兵と、「可能ならもっと送って欲しい」と要請しました。
国防総省のE棟三階で、陸軍指揮官たちは特別区州軍からの「パニック状態の」と彼らが説明する電話に群がっていました。状況の重大さが明らかになってくると、マッカーシーは会議から駆け出し、ミラーのオフィスへとホールを下り、会議の中に参入しました。
午後3時直後、陸軍長官は特別区警察を支援するために1,100人の州軍を動員することを「口頭で承認」し、兵士の派遣の任務、場所と部隊の規模の計画を立てました。
しかし、陸軍と州軍が検問所の全兵士を呼び、彼らに新しい道具を支給し、任務のための新しい計画を立てて、任務を彼らに説明したために、彼らは次の90分間、計画を実行するために苦闘しました。
午後3時19分、ペロシとシューマーは助けを求めて国防総省に電話をかけて、州軍が承認されたといわれました。
午後3時48分、特別区州軍が警察とつながるための計画に完全に派遣されていないことに苛立ち、マッカーシーは法執行機関との調整を助けるために国防総省から特別区警察本部へと急行しました。
トランプは午後4時17分に沈黙を破り、彼の支持者に「家に帰り、平静になれ」とツイートしました。
午後4時30分までに、軍の対応計画が完成し、ウォーカー少将は州軍を議事堂へ送る承認をしました。
完全な暴徒用装備を身につけて、州兵が午後5時20分に議事堂に到着しはじめました。
午後8時、議事堂は安全を宣言しました。
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軍隊によくある、準備には時間がかかるという話です。仕舞い込まれている装備品を持ち出して、部隊に配るだけでも時間を要します。
さらに、アメリカには軍隊が民間生活にできるだけ干渉しないという、建国以来の習慣があります。そのため、暴動鎮圧に軍が出動するにはいつも時間がかかります。
その点では、出動にかかった時間はこんなものかも知れません。やはり、議事堂警察の態勢や装備の改善、議事堂内に遮蔽のためのシャッターを設置することが必要なのではないでしょうか。
今回はインターネットを通じてばらまかれた陰謀説が大量の暴徒を生んだ訳で、ロサンゼルス暴動とも様相が違います。メディアがきっかけになったのは共通していて、ロス暴動では、テレビ報道が黒人を殺した白人警察官が裁判で無罪になったことが報じられたのがきっかけでした。
ジョージ・フロイドが白人警察官に殺された後に起きたデモと暴動は、やはりテレビ報道がきっかけでした。しかし、現場で少女が撮影した殺害の映像という新しい要素も登場しています。ロス暴動のときは、こんな装置を誰もが持っていませんでした。暴動はあったものの、大半は平和的なデモでした。
ロス暴動では、事件後に住民たちが街の復興に立ち上がりましたが、そんな動きはありません。現場が議事堂という特殊な場所のためかも知れません。
日本で似たような事態が起きたら、政府はどうするのか?。都道府県の警察で対処できず、警視庁機動隊を派遣してもおさまらないと、自衛隊に治安出動命令が出そうです。日本にはアメリカのような民間生活に軍が干渉しないという伝統はありません。
余談ですが、記事に出てくる国防総省のE棟は、同時多発テロで倒壊したところでもあります。
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