2021年01月10日

狂った大統領が核兵器に手を伸ばしたら?

 military.comによれば、下院議長ナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)は金曜日に、「錯乱した」大統領が核兵器のコードにアクセスするのを防ぐために必要な予防措置と表現したことを議論するために、統合参謀本部議長、マーク・ミレー陸軍大将に電話をかけました。

 しかし、専門家と当局者は軍隊や議会が核兵器へ大統領がアクセスするのを邪魔する余地はないといいました。

 「この錯乱した大統領の状況はより危険になりかねず、我々は我が国と民主主義に対する取り乱した攻撃からアメリカ国民を守るためにできるあらゆることをする必要があります」と、カルフォルニア州選出の民主党議員のペロシは金曜日に回覧された書簡の中でいいました。

 彼女と大半が民主党議員の数十人の議員は、最高指揮官の支持者による合衆国議会議事堂の水曜日の暴力的な占拠に引き続いて、ドナルド・トランプ大統領(President Donald Trump)の免職を求めています。

 軍当局は電話があったことを認めました。

 「ペロシ議長は参謀本部議長に電話をかけました」とミレーの報道官、デーブ・バルター陸軍大佐(Army Col. Dave Butler)はいいました。「彼は核指揮権限のプロセスについて彼女の質問に答えました」。

 ペロシは金曜日に、トランプは「戦争行為や核攻撃(を命じる)発射コード(へのアクセスを)」認められるべきでないといいました。

 ミレーへの電話の後、ペロシは政党の幹部会に、彼女はトランプが核兵器を発射すると決めた場合の安全措置について確証を得たとCNNは報じました。議会調査局は先月「核兵器を発射するために、大統領は軍事顧問や米議会のいずれの意見の一致も必要としません」と書いており、どんな保証がなされたのかは不明です。

 「さらに、軍や議会はこうした命令を却下できません」と「国防の点火薬:核戦力の指揮統制」という題名の12月の報告は述べました。

 カーネギー国際平和基金(the Carnegie Endowment for International Peace)の核政策プログラムの上級研究員、アンキット・パンダ(Ankit Panda)も、トランプを免職すること以外に、ミレーやペロシが大統領が核兵器を使うと命じる正当で合法的な命令を出すことを妨げられる合法的な措置はないと指摘しました。

 「それが我々がシステムを設計した方法です」と彼は金曜日に書きました。「アメリカの大統領が実質上君主制で絶対的である方法があるなら、もちろん我々はそれを変えられるでしょう。それがこれです」。

 核兵器を統括する合衆国戦略軍(STRATCOM)当局は、ミレーへのペロシの電話についてのMilitary.comからの質問を国防総省へ任せました。
Officials with U.S. Strategic Command, or STRATCOM, which oversees nuclear weapons, referred questions from Military.com about Pelosi's call to Milley back to the Pentagon.

 STRATCOM指揮官、チャールズ・”チャス”・リチャード提督(Adm. Charles "Chas" Richard)は今週、彼は合衆国が数十年間使っていたシステムを変えるのは推奨しないと記者にいいました。

 しかし、核兵器を展開する違法な命令に従うことは否定すると、彼はつけ加えました。

 「私は与えられたいかなる合法的な命令にも従うでしょう。違法な命令にはどれであれ従わないでしょう」と彼はいいました。「さらに言うなら、何よりも先にいうなら、我々は軍隊のシビリアンコントロールを求めはじめているのです。それが重要なアメリカ人の特質だと考えます」。

 突き詰めれば、核攻撃を行う権限を誰が持つかは「政治的な問題」だといいました。

 「私はこの国の政治のリーダーシップがやりたいことが何であれ実行する準備があります」と彼はいいました。

 議会調査局によると、核攻撃の準備に際して、大統領は軍と民間の顧問に相談します。顧問たちは
武力紛争法(LOAC)でうたわれている規定に合致しないと信じる命令を押し戻す能力があります。

 2017年の上院公聴会で、STRATCOM指揮官を務めたことがある退役空軍大将のロバート・ケーラー(Robert Kehler)は、軍の隊員は非合法だと考える命令は拒否できると議員の前で証言しましたが、「合衆国大統領だけが合衆国の核兵器の使用を命令できます」とつけ加えました。(過去の記事はこちら

 ケーラー大将はプロセスはオートマチックではないと指摘しました。CNNの報道によると「これは人間がコントロールするシステムです」と彼はいいました。プロセスは「評価、再検討と大統領と主要な民間と軍の指導者たちとの間の相談、軍隊自体による大統領の決定の送達と実施を含みます。

 核兵器権限はさておき、統合参謀本部議長としてのミレーの役割も、法律により、指揮系統の外にあります。議長の役割は大統領の軍事顧問として務めることです。

 数人の民間=軍関係の専門家も金曜日に、ペロシとその他の議員がトランプが安全保障のリスクを及ぼすと懸念するなら、彼らは軍事的ではなく、政治的決断を見出すべきだと指摘しました。

 ペロシとその他の議員は、副大統領と閣僚が大統領を解任するために修正第25条を行使しないなら、弾劾手続きに向けて進むといいました。

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 いま、核兵器の懸念が高まるのは、トランプの異常な性格のためです。極度のナルシストで人格障害の彼が、退任する前に核攻撃に手を出す恐れがあると考えるのは当然のことです。これまで、何人もの心理学の専門家が、トランプは人格障害だと指摘してきました。自分の敗北を見るなど認めない彼が、たとえば、イランに向けて核攻撃をしようと考えないとは言い切れません。

 アドルフ・ヒトラーは敗北に際して、ドイツを焼き尽くせと命じました。自分が死ぬときはドイツも死ぬべきだと。こういう狂気の判断をトランプもするのではないか。その際、軍人たちは大統領の命令に従い、核攻撃をやるのではないかと心配になります。すでにトランプには、イランの革命防衛隊指揮官、スレイマニ暗殺を命じた過去があります。対イラク政策でトランプに3つの案を示したところ、彼は最も過激な案を躊躇なく選んだのです。心理学の専門家たちは、それは予測できたはずの行動で、周囲がトランプの性格を把握していない証拠だと批判しました。

 トランプが錯乱して、イランから攻撃を受けると思い込む可能性があります。それは、いつものようにテーブルをひっくり返しさえすれば、事態は好転するのだという彼の妄想です。これまで、トランプはそうやってビジネスを行い、政治も行ってきたのです。自分が騒げば騒ぐほど、周囲は自分に従うと。イランを攻撃すれば、それがなんであれ、アメリカ国民は自分を讃え、信じるようになると。つまりは自分のための虚言ですが。

 ペロシはごく基本的な質問しかしなかったようです。軍の回答も、これまでと同じです。つまり、合法的な命令なら従うが、そうでない場合は従わないということです。これでは不十分です。

 この記事を見ても、たとえば、大統領が単独で発射コードを送信する将校を呼びつけ、イランを攻撃しろと命じたような場合、他の閣僚との相談がないことを理由に拒否できるのかといった状況に応じた対処が分かりません。普通に考えたら、これはできないはずです。どこを、どんな核兵器で攻撃するのかは大統領には判断できませんから、少なくとも統合参謀本部議長が同席して、最適な攻撃案を作り上げる必要があります。大統領が「なんでもいいから、核兵器でテヘランを火の海にしろ。方法は任せる」といったような場合、それは合法な命令とは思えませんが、担当将校は拒否できるのでしょうか。我々の不安はそこにあるのです。この大統領は到底信頼できません。それ故、こんなおかしな心配を本気でしなければならないのです。
posted by スパイク通信員 at 11:51| Comment(0) | 日記
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