military.comによれば、オース・キーパーズ(Oath Keepers)の創設者、スチュアート・ローデス(Stewart Rhodes)は、退役軍人の支援グループを運営していたとされますが、現実には危険な民兵グループを運営し、準軍事的組織の指導者になりたがっていたと、元メンバーが火曜日に1月6日の連邦議事堂襲撃を調査する下院調査委員会に証言しました。
グループの元広報だったジェイソン・ヴァン・ターテンホーブ(Jason Van Tatenhove)は証言において、ローデスが当時の大統領、ドナルド・トランプ(Donald Trump)が、ローデスとオース・キーパーズが権力を握る武力革命の口火を切るために、兵士を国内に派遣することを認める法律、反乱法を発動することをどのように望んでいたかを説明しました。
公聴会は、トランプがジョー・バイデン大統領をホワイトハウスに据える選挙結果を覆そうとするときに、オース・キーパーズとプラウド・ボーイズ(Proud Boys)の過激主義グループを含むトランプ支持者らが議事堂に対して2021年に暴力的な攻撃を行ったことについての下院の「1月6日調査委員会」で最新のものでした。ローデスとメンバー10人はバイデン(Biden)の当選の後の平和的な政権移行を止める計画に関連した連邦反乱罪で起訴されました。
攻撃に先立ち、ローデスは絶えず彼が大衆の目の中でやっていたことを正当化する方法を探していたとヴァン・ターテンホーブは言いました。メンバーの中にある反ユダヤ主義のために、彼は最後にグループを去ったと証言しました。
ローデスは「コミュニティの即応チームであれ、非民兵であれ、教育的支援チームであれ、退役軍人支援グループであれ、民兵ではないという虚飾で覆うことを模索して、彼はやっていることを常に正当化する方法を探していました。しかし、我々はそれが何であるかについて。この不誠実で気取った言葉を手に入れていたのです」とヴァン・ターテンホーブは言いました。「御存知のように、彼は民兵の指導者です。彼は準軍事的組織の指導者になる大きな展望を持ちました」。
ローデスを含む起訴されたオース・キーパーズの5人は軍隊経験がありました。
1月6日の委員会と連邦起訴によれば、過激主義グループは、トランプがワシントンで、武装した支持者に議事堂へ行進するよう呼びかけた1月6日の演説を含めて、平和的な権力移行を拒否する大規模なデモを呼びかけたあとの議事堂襲撃で主要な役割を演じました。
下院委員会は元トランプ政権当局者から、2020年11月の後、元大統領が選挙結果を覆すために様々な失敗した試みを行い、最後に選挙の認定を中断させる方法として怒れる支持者と過激主義グループに頼ったという証拠と証言を明らかにしました。
委員会によれば、トランプのほとんどの顧問は、選挙人がバイデンが大統領当選者に指名し、数十件のトランプの法的異議が却下された12月中旬に、選挙結果に法的異議を出すいかなる機会も終わったと感じていました。
連邦検察官らローデスとオース・キーパーズの仲間が議事堂に突入する計画を企て、数週間訓練を行い、彼らがバイデン就任を妨害するためにワシントンに終結したとき、紛争が予期できる地域に重装備の緊急対応部隊を派遣したと主張します。
グループのメンバーは1月6日の攻撃のビデオ映像で、トランプ支持者の暴動の群衆を軍隊で使われる「スタック」隊形で通り抜けて議事堂に近づくのが見られます。
元代表のエンリケ・タリオ(Enrique Tarrio)過激主義のプラウド・ボーイズのメンバー5人は、6月に反乱謀議罪で起訴されました。タリオを除く起訴されたメンバー全員は退役軍人でした。連邦当局は彼らが最初に議事堂警察の列を突き破り、議事堂に突入した暴徒の先陣だったと断言します。
「最初から最後まで可能性がそこにあったために、より多くの殺戮が起きなかったことで我々は非常に幸運でした」とヴァン・テーテンホーブは言いました。「人命の損失は悲劇的でしたが、我々は1月6日にずっと多くの可能性を見たのです」。
空軍の退役軍人、アシュリ・バビット(Ashli Babbitt)は、議員達が暴動に対して立て籠もる下院の議場に押し入ろうとしたときに、議事堂の警備により銃殺されました。攻撃の間に負傷した議事堂警察官は後に死亡しました。警察によれば、1月6日に140人以上の警察官が負傷しました。
元インディペンデント紙の記者のヴァン・テーテンホーブは、モンタナ州でグループと暮らしている間に、ホロコーストを否定するメンバーの議論を目にした後、オース・キーパーズから離れる決心をしたと言いました。
去る前に、ローデスが彼にイラク戦争の間に米兵に渡したトランプカードに似せたアメリカの政治家の顔がついたトランプカードを作るよう求められていたと彼は言いました。これらのカードは軍隊が発行し、最後に捕らえられ処刑されたサダム・フセイン(Saddam Hussein)のような最重要手配人物の写真を示しました。
「スチュワートはその考えに非常に引きつけられ、それに影響されたと私は考えますし、彼は私に異なる政治家、裁判官を含んだトランプカードを、ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)をハートのクィーンにして作ることを求めました」と彼は言いました。「これは私が実行を拒否したプロジェクトです」。
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〔私のコメント〕
連日、元トランプのスタッフからトランプに不利な証言が出ていますが、元民兵組織のメンバーからも同様の証言が出ました。
この証言のポイントは、元々、アメリカを守るために認められている民兵組織が過激化して、連邦国家を覆そうとしていたことを示しているということにあります。
民兵組織は、アメリカがイギリスから独立した時に最初に立ち上がった組織です。一般市民が銃を持ち、イギリスの正規兵と戦いました。後に連邦軍が組織されますが、最初に立ち上がったのは市民だという自負がアメリカ社会の根底にあります。そのため、独立宣言でも合衆国憲法でも正規軍より民兵をより評価しています。ここは日本人には理解されにくいところですが、アメリカを理解するためには避けて通れないところです。
今でも、民兵組織は国家防衛のための有力な組織だとされます。しかし、日頃、訓練を積んで、十分な教育を受けているのは連邦軍です。第一、ギャングが民兵組織を作ることも可能なので、犯罪組織の隠れみのになりかねません。そこで、米軍とともに行動する民兵は米軍の規則に従うという法律があるのです。現実的には、軍隊経験者でないと、米軍と行動できる民兵組織の一員にはなれません。
国家防衛の礎であるはずの民兵組織が議事堂襲撃に参加していた、国家転覆を狙ったことが、ターテンホーブの証言の骨子ですから、これはオース・キーパーズとプラウド・ボーイズが民兵足り得ない、それとは別の準軍事組織だということになる訳です。当然、これはトランプが国家転覆を狙ったことも証明します。この点で、ターテンホーブの証言は重要なのです。
2022年07月15日
1月6日の議事堂襲撃と民兵組織
posted by スパイク通信員 at 16:54| Comment(0)
| 日記
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